BORDER LINE 2003 -
概要概要:2000年の<PFF(ぴあ・フィルム・フェスティバル)アワード>でグランプリを含む4賞を受賞した李相日(リ・サンイル)が、スカラシップ権を得て監督したもので、李にとって初めての長編となる。前作「青~chong~」が高校という「限定された空間」の、恋と友情という「絞り込んだ話」だったのに対し、この作品は、東から北へと「移動する」ロードムービーであり、性別も職業も年齢も「違う5人の話」となっている。時に深く、時に浅く、それまでまったく知らなかった他人とかかわることで自分の罪を知り、罰を受け、かすかだが確かな希望を感じるまでの道のりを、力強く描く。 やる気のないタクシー運転手の黒崎は、自転車で走っていた高校生・松田を轢いてしまう。「北海道まで行く」と言い張る彼。仕方なく黒崎は行動を共にするのだが、ラジオで流れたニュースで、彼が父親を殺害し逃げてきたことを知ってしまう。40代半ばのチンピラ・宮路は、舎弟の裏切りからヤクザの幹部に追われることになった。逃げ場のなくなった彼は、離れ離れになっている娘のことを思うのだった。 一見、マイホームを持ち幸福に暮らしていた主婦・美佐。しかし実際は、息子は学校でいじめに遭い、夫はリストラされストレスがたまる毎日を送っていた。家族とのつながりに傷を持つ同士が、ほんの一瞬出会い、触れ合う兆しをみせながら、離れていく……。
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